日本の医療機器メーカー、日本シグマックスが手掛けるサポーターブランドのザムスト。
その中でもバスケットボールやバレーボールといったスポーツで人気のあるインソール、フットクラフト アジリティグリップを今回は解説していきます。
土踏まずの高さに合わせて選べる仕様で、同じ仕様でグリップの付いていないフットクラフトスタンダード、クッション性を高めたフットクラフトクッション+、サッカー用のフットクラフトフットボールスタイルと、ラインナップも豊富なのが特徴の製品。
今回はアジリティグリップ製品がどのような人に合いやすいのか、逆に合いにくいのかを解説していきます。
適する方…スポーツ時であればどなたにでも対応
基本的にどなたでも使用できるタイプのインソールで、大きな疾患等のない全年齢の男性であれば問題なく使用できます。
ただし、サポート性は比較的強いため、ある程度体重、筋力のある男性の方が好感を受けるインソールとなっています。
サポートは主に標準的なアーチの方に対して作られており、扁平足や凹足の方には合いにくい設計となっています。
しかし、同じ製品で扁平足向けのLOW、凹足向けのHIGHが展開されているため、自分のアーチタイプに合わせて購入すれば問題はありません。
適する悩み…足底腱膜炎等の各種足部の痛み、パフォーマンスの向上
主に3つのアーチを支えつつ、踵骨前や立方骨等まで支持する設計。
硬度の高い樹脂製のスタビライザーと、硬めのフォーム材でできたフレキシブルホルダーによるサポートが特徴です。
比較的強度の高い設計であり、アーチサポート部も同様であるため、比較的体重のある方、ジャンプが多い方に適したインソールです。
以下、このインソールが軽減できる可能性が高い症例、解決できそうな悩みです。
- 足底腱膜炎
- 外反母趾
- 巻き爪
- 有痛性外脛骨
- リスフラン関節炎
- 足根管症候群
- 腸脛靭帯炎
- 鵞足炎
- 足底部痛
- 足腰の疲労感
- シューズ内部のブレ
適する靴…バスケットボール、バレーボールシューズ
やや硬めのサポート性にグリップ性のある素材を付け加えているため、激しい動きのあるスポーツシューズ、特にバスケットボールやバレーボール、ラグビー等のシューズに適した仕様となっています。
加えて、厚すぎない程度にクッション性も兼ね備えられているので、足裏への激しい衝撃も緩和しやすいものとなっています。
一方で、その硬めのサポートとグリップから、体重が非常に軽い方や、普段履く靴にはあまり適さないインソールとなっています。
適する用途…スポーツ競技中が最適
表面にグリップ性のある素材を用いている事から、普段の競技中に使用したいインソールとなっています。
黒く硬いスタビライザーと、適度な柔らかさを持つフレキシブルホルダーを組み合わせたサポート設計もあるので、競技中の激しい動きの中でもサポート性を維持します。
フットクラフトシリーズは用途によっても製品が別れているため、アジリティグリップは主にスポーツ競技中の使用がおすすめです。
合わないケース…過度な扁平足、凹足
アーチタイプ別で3種類展開されていますが、基本的にはアーチ部の高さのみを変更した仕様のため、特に凹足、ハイアーチ傾向の方には高い矯正効果は望めません。
扁平足の方も、極度の扁平足の場合は合わないケースもあるでしょう。
比較的バランスがとれている万能型のインソールですが、オーダーメイドを目指しているだけであり、あくまで既製品レベルのクオリティであることは留意する必要があるでしょう。
ザムスト フットクラフト アジリティグリップの理論
ザムストのフットクラフトシリーズは基本的に3つのアーチを支えつつ、踵骨前を支持することで、足の機能性を補助するのが特徴のインソールとなっています。
足底腱膜を引き上げ、アーチ部の引き上げ、回復を狙うウィンドラス機構についての記載がメーカーHPではありますが、指先が背屈(上側に引き上げる)するような設計は無いため、基本はアーチ部とかかと回りの骨格に作用するインソールとなっています。
まずかかとについては黒いスタビライザー、青いフレキシブルホルダー、そしてクッションとなるEVA層で構成されており、主にスタビライザーにて底面~サイドを構成しています。
比較的深さもあるかかとになっているため、左右へのかかとの倒れ、ぐらつきをある程度抑え込むような仕様になっています。
加えて支持してくれるのが、横アーチ、内側縦アーチ、外側縦アーチの3つのアーチ、そして踵骨前となっています。
主に内側縦アーチと踵骨前の支持が基本となっており、多少の横アーチ、僅かに外アーチへの支持もある設計です。
このアーチ部のサポート樹脂、スタビライザーは他製品と比べても硬質ですが、足裏にあるスペースを作ることで足本来のたわみを生み出し、その硬さを和らげる仕様となっています。
この足裏のスペースは外側縦アーチにもあり、内側縦アーチと外側縦アーチを的確に支持しつつ、足本来のたわみを生み出すように設計。
主に回内、内側に倒れる動きに対して強く設計されていますが、外側もある程度支持できるように設計されているものとなっています。
加えてかかと直下にはクッション材が配置されており、かかとが中心に収まりやすく設計されているのも特徴の一つ。
柔らかなクッション材になっているため、直接的な衝撃に関しても緩和しやすいものとなっています。
一方で内側縦アーチ部のスタビライザーは比較的指先側、前の方まで広く使われているため、内側縦アーチ部への支持が強い設計になっています。
この設計は動きの多い内側縦アーチ部にはあまり適しませんが、この問題を商品自体を3つのアーチ別展開にすることで解消しています。
このアーチ部へのサポートに加えて、踵骨前の支持を加えることで内側、外側両縦アーチへのサポートを確かなものにしています。
最後に表面材はスエード素材で滑りにくくなっており、激しい動きでも滑りにくく仕上がっているのが特徴となっています。
ザムスト フットクラフトの選び方
基本的には靴、シューズのサイズと同じサイズを購入して頂ければ問題ありません。
細かい事を言うのであれば、
- かかとが綺麗に収まっているか
- 土踏まずに過度に当たって痛くないか
- 足の曲がる場所(MTP関節)にスタビライザーが重なっていないか
- 履いてみて痛くないか、強い違和感はないか
といった項目が大事になります。
また、アーチタイプの判別方法に関しては、あくまで簡易的なものですがメーカー公式から動画化されていますので、そちらもご確認ください。
また、店頭での購入に限り30日間の返品保証もあるので、そちらを利用するのも良いと思います。
実際に使ってみた感想
筆者も実際にフットクラフト アジリティグリップを使用してみました、、が、バスケットシューズを履かないので普段履きで着用しています。
まず、筆者自身がミッドアーチであるので、土踏まず部に違和感を覚える事はありませんでした。
サポートに関しては踵骨前の支持が一番感じやすく、その上で内側縦アーチ部への支持もしっかりと感じられます。
オーダーメイドを目指した、というだけあって基本的な所は支持できるようになっているのは良い所だと思います。
もう少し外側、横アーチへの支持はあっても良いかもしれませんが、十分な支持となっています。
また、履き心地や歩き心地に関しては全体的にやや硬め、安定性のある感覚を受けます。
表面が滑りにくい素材になっているため、普段履く靴にはあまり適さないとは思いますが、競技用のインソールと考えるとこれくらいで十分かと思います。
3つのアーチ展開にもなっているため、勧められる製品であるように感じました。
まとめ
バスケットボールやバレーボール等、競技に適したアーチサポートインソール、フットクラフト アジリティグリップについての解説は以上となります。
土踏まずの高さに合わせた補助、サポートを行っているのが特徴で、足部に問題のあるジャンプ系競技、激しい動きのある競技に適したインソールとなっていました。
アーチタイプさえ正しく選ぶことが出来れば一定の効果が出やすそうなインソールになっていますので、各競技を楽しまれる方は検討してみてはいかがでしょうか。
※下記インソールの基礎編も良ければご確認ください
https://insole.xyz/insolebasic/foot-arch/
- PEDAG ビバサマー 解説
- BMZ コンプリートジエイタイ 解説
- Bauerfeind スポーツインソール RUN PERFORMANCE INSOLE 解説
- シダス クッション3D 解説
- スーパーフィート ブラック All-Purpose Support Low Arch 解説