アメリカ生まれ、足病医学に基づいた扁平足に向いたインソールであるスーパーフィート。
今回はそのスーパーフィート製品の中でも薄く、低いアーチ、扁平足の方に適した一枚、ブラックを解説していきます。
特に回内足や扁平足といった、足や腰の疲れや痛みがきつい、足底腱膜炎や腸脛靭帯炎のある方には価値あるインソールなので、どのように効くのか理論も併せて解説していきます。
備考
All-Purpose Support Low Archへ名称変更されました。
商品に変更はありません。
適する方…土踏まずの低い方、扁平足の方
基本的にどなたでも使用できるタイプのインソールで、大きな疾患等のない全年齢の男女であれば問題なく使用できます。
ただし、サポートは扁平足の方に適した仕様となっているので、ミッドアーチ~ハイアーチ(凹足)の方にとっては最適解とならない場合があります。
とはいえミッドアーチ~ハイアーチの方にとっても害になることは少なく、比較的万人受けしやすいインソールであることは間違いありません。
適する悩み…足底腱膜炎や扁平足等
主に載距突起と呼ばれるかかとの前を支える設計のため、内側に倒れていきやすい回内足、扁平足や、それに付随して発生する足底腱膜炎、巻き爪といった問題の解消、予防、悪化防止に効果を発揮するインソールです。
以下、このインソールが解決できる可能性が高い症例です。
- 足底腱膜炎
- 外反母趾
- 巻き爪
- 有痛性外脛骨
- リスフラン関節炎
- 扁平足
- 足根管症候群
対応する靴…スポーツシューズ、競技シューズ
スーパーフィートシリーズの中では薄型にあたるため、普段履きよりは、内容積の少ないスポーツシューズの方が適している場合が多いです。
具体的にはスパイクシューズといった、厚みのあるインソールだとシューズとのフィット感が悪くなるようなシューズにより適しています。
ただし、硬さのあるインソールであるため、関節に痛みがある場合は靴側にクッション性のあるものが好ましいです。
使う用途…競技中の足部補正に
普段使いにもできますが、薄型設計であるため、競技中に用いるのが最も適当なインソールです
毎日使用する事も可能なインソールで、硬い樹脂によるサポートパーツで長く足元を支え続けられる一枚でもあります。
公式サイトでも12ヶ月間の使用or使用距離約800kmまでサポートできる機能性と謳われており、実際これだけ強固だとかなり長持ちしやすいインソールです。
合わないケース…関節部に不安のある方、お年寄りの方
硬い樹脂によるサポートが特徴で、スパイクシューズに入るような薄さが特徴であるため、インソール自体に柔らかさ、クッション性はありません。
膝や腰といった関節面に直接衝撃が加わると辛い方は、シューズ側にクッション性が必要になります。
但し、かかとの脂肪層を活かす、足本来のクッション性を引き出す機構は備わっています。
スーパーフィート ブラックの理論
スーパーフィートシリーズ全般に言えることですが、ブラックタイプも同様で載距突起を支持する事で足の歪みを正し、痛みや疲れを軽減する理論です。
スーパーフィートシリーズは製品によっては立方骨方面もある程度支持する機構になっていますが、このブラックに関してはあまり強くは支持されてはいません。
但し外側に支え、エッジはある程度あるため、左右への激しい動きのある競技にも対応しやすいのが特徴です。
主に扁平足の方に適した、内側をサポートする競技向けのインソールと考えるのが良いかと思います。
この載距突起と呼ばれる部分は踵骨、かかとの骨と距骨の関節面にあり、脛骨(すねの骨)からの体重を支える場所になります。
体重を支える部位であり、このかかとが内側に倒れることによって地面からの衝撃を逃がす役割(クッション)があるのですが、内側に倒れすぎている場合には問題が多く発生します。
内側に大きく倒れすぎている場合は内側縦アーチの低下に直結、外アーチや横アーチの低下にもつながるので、前述した扁平足、足底腱膜炎や外反母趾等の悩みが発生しやすくなります。
そのため、スーパーフィート ブラックではかかとのぐらつきをヒールカップにて安定させ、内側縦アーチに繋がるように載距突起を主に支えることで、特にかかとの内側への倒れを抑える仕様となっています。
一方、薄型のローアーチタイプ、扁平足向けであるため、シューズに入りやすいようヒールカップはかなり浅く設計されています。
その為、よりかかとからしっかりと支えたい場合はブルーの方が適している場合もあります。
また、内側土踏まずはローアーチ設計の為、基本的に強く接触する事が少ない設計になっています。
その為、アーチ部の動きを阻害することは少なく、そういう意味では害が少ないので万人受けしやすいともいえます。
他には、スーパーフィートシリーズの特徴でもあるかかとのポケット、そのかかとにはまるい窪みを作ることで、かかと本来の脂肪層がかかとの下に収まるようにしています。
このかかとの脂肪層は年齢を重ねるごとに潰れ、広がっていくのですが、スーパーフィートでは本来あるべき場所に収まるように丸く仕上げることでかかと本来のクッション性を再現させます。
但し、ブラックタイプは薄さにこだわっている製品であるため、基本的には薄く硬く感じやすいインソールです。
また、かかと底面側は両サイドに張り出した突起があるため、自然な動きは生み出しつつ、ぐらつき過ぎないものとなっています。
また、かかと回りを硬い樹脂素材でサポートする設計ですが、足の裏のアーチのようにインソール下には空間が設けられています。
この空間があることでたわみが生まれ、自然な足本来のクッションに近い動きを生み出します。
足自体は硬さと柔らかさ、両方を兼ね備えている構造体なので、このような安定性とフレキシブルさを兼ね備えた仕様となっています。
最後に表面材については抗菌仕様となっており、臭いにくい仕様となっています。
素材的には前後方向へは滑りにくく仕上げており、激しい運動でなければ大きな問題のでにくい設計となっています。
また、裏面にも前後方向への滑りを抑える突起が設けられており、スパイクシューズに対応できるように設計されています。
スーパーフィート ブラックの選び方
基本的には靴、シューズのサイズより少し小さ目に合わせて購入して頂ければ大丈夫です。
細かい事を言うのであれば、
- かかとが綺麗に収まっているか
- 土踏まずに過度に当たっていないか
- 足の曲がる場所(MTP関節)にプレートが重なっていないか
- シューズ内で少し動く余裕があるか
といった項目が大事になります。
ただし、スーパーフィートインソールの対象製品には60日間快適保障がついているものもあるため、気軽に試すことが可能なインソールとなっています。
実際に使用してみた感想
筆者も実際にスーパーフィート ブラックを使用してみました。
筆者自身がミッドアーチであるので、内側の土踏まず部に接触するような感触はなく、問題なく使用する事が可能でした。
その上で、載距突起部~踵骨前へのサポートもローアーチタイプとは思えない位にしっかりとしており、外側サイドエッジもあるため、競技系のシューズにマッチしそうな印象です。
一方で薄く、硬い設計であるため、やはりサポートは、履き心地、歩き心地が硬くなります。
薄さ、硬さによるぐらつかず安定感の高い、しっかりと支えられている感触と、リアクションの良さはやはりスパイクシューズ等の競技シューズの方が適しているでしょう。
歩行時にも疲れにくく感じられますが、かなり薄硬いのでランニングシューズ等のクッション性のあるシューズと相性が良いように思います。
まとめ
回内足、扁平足に効果的なスーパーフィート ブラックについての解説は以上となります。
比較的様々な方に対応でき、内容積の少ないスポーツシューズ、スパイクシューズに対応しやすいインソールで、主に足底腱膜炎、外反母趾、扁平足で悩まれている方におススメなインソール。
耐久性もかなり高い部類のインソールになりますので、快適保障を上手く利用して一度試してみてはいかがでしょうか。
※下記インソールの基礎編も良ければご確認ください
https://insole.xyz/insolebasic/foot-arch/
- PEDAG ビバサマー 解説
- BMZ コンプリートジエイタイ 解説
- Bauerfeind スポーツインソール RUN PERFORMANCE INSOLE 解説
- シダス クッション3D 解説
- スーパーフィート ブラック All-Purpose Support Low Arch 解説