愛知県にある義肢装具の会社、松本義肢製作所。
今回はその松本義肢製作所から販売されている自転車競技等に向いたスポーツインソール、FUSION-FLEXI+Sを紹介していきます。
いわゆる定番の、オーソドックスなアーチサポートインソールなので、どのように効くのか理論も併せて解説していきます。
適する方…標準的なアーチの方、過度な扁平、凹足でない方
基本的にどなたでも使用できるタイプのインソールで、主にスポーツ時の怪我予防として使用可能なインソールです。
アーチを支持する面積は広範囲に、高く設計されていますが、支持部の樹脂は柔らかく、強い支持は望めません。
その為矯正効果はあまり見込めませんが、過剰な扁平足、凹足でなければ合わない、痛みが少ないというメリットもあります。
適する悩み…足底部痛等
主に内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの3つのアーチ全てを弱く支持する、補助する機構のため、根本的な問題の解決にまでは至らない事が多いです。
一方で、軽度の回内足、扁平足、開張足、凹足と、それぞれのアーチの問題から発生する問題の予防に効果を発揮するインソールです。
あくまでスポーツでの使用に適しているサポート力であることで、支持の強さ、矯正力よりも、運動時の動きを阻害しない事を優先している設計です。
以下、このインソールが予防、軽減できる可能性がある症例です。
- 足底腱膜炎
- 外反母趾
- 有痛性外脛骨
- リスフラン関節炎
- 腸脛靭帯炎
- 鵞足炎
- 捻挫
適する靴…ラケットスポーツ、自転車競技系のシューズ
主に自転車競技等のスポーツシューズに適した設計との触れ込みで販売されているFUSION-FLEXI+S。
内側縦アーチ、横アーチ部に加えて外側エッジと内側エッジが大きく張り出しているのが特徴となっています。
その為、あまりに内容積の少ないスポーツシューズには不向きです。
一方で左右への動きが大きいテニスや卓球、側方へ力を逃がしたくない自転車競技には適しやすいインソールと言えます。
適する用途…スポーツ競技中に最適
毎日使用する事が可能なインソールで、そのフレキシブルなアーチサポートから、スポーツ時に使用したいインソールとなっています。
ただし、そのフォーム材、スタビライザーの素材から、耐久性はあまり高くありません。
普段履く靴にも使用する事は一応可能ですが、滑り止めもあることから、スポーツ競技中に使用することをおすすめします。
合わないケース…過度な扁平足、凹足や、矯正効果を期待する場合
かなりフレキシブルなアーチサポートが最も特徴の製品であるため、多少のサポートはあるものの、矯正するほどの力は持ち合わせていません。
基本的にアーチに対してのサポートは、足に追従して動く、動きを阻害しない程度のサポートしか出来ないため、特にスポーツ向けインソールは矯正するほどの力は発揮できません。
足部に現在痛みがある、悩みがある場合は他製品をまずはおすすめします。
FUSION-FLEXI+S の理論
松本義肢製作所のインソールは主に土踏まず、アーチ部の動きを阻害しないような強度でサポートするのが特長となっています。
足の裏のアーチは主に3つあり、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの三か所のうち、この FUSION-FLEXI+S では内側縦アーチと横アーチを中心に柔らかく支持する機構、外アーチに関しては支持はしないものの、外側エッジで補助する設計となっています。
まずかかとはこのように深く設計され、その前側にある内側~外側縦アーチ、エッジ部が特に大きく隆起しているのがFUSION-FLEXI+Sの特徴と言えます。
この側壁、エッジによって左右へのぐらつきを抑え、ねんざ方向、外側への傾きや扁平足方向、内側への傾きを制御する設計となっています。
この仕様は特に外側エッジが効いており、外側への過荷重を多少補正するような仕様です。
主となるアーチサポートに関しては内側縦アーチと横アーチを基本的に柔らかく、違和感なく支持する機構。
スポーツ時の大きな足の変化にも追従する柔らかさで、違和感や痛みが起きにくい仕様である一方、足部の矯正までは難しい強度となっています。
このフレキシブルなアーチサポートに加えて、足裏側には多少の空間を設けてあります。
この空間は足裏側に配置されたスタビライザーによって隆起されており、ある程度のサポート、土踏まずの自然なたわみを引き出す設計です。
ただし、基本的には柔らかめの素材で構成されているため、ある程度のサポートに留まっています。
そして裏側には柔軟な白いアーチサポートに加え、黒く若干硬めのスタビライザーが使用されています。
この若干硬めのスタビライザーにて安定性を加えており、柔らかいサポートだけではない多少の強さを生み出し、横アーチや内外アーチを若干支持するような機構となっています。
表面材には滑りにくい素材が使用されており、シューズ内での足の遊びを抑えるような仕様に。
内側縦アーチ部には切れ込みをいれることで、より柔らかく仕上げ、違和感が無いように設計されています。
このため、基本的にはスポーツ時に使用する、アーチを補助するタイプのインソールとなっています。
FUSION-FLEXI+S の選び方
基本的には靴、シューズのサイズと同じサイズを購入し、つま先に余分があればハサミ等でカットして頂ければ問題ないかと思います。
加えて、下記項目も重要であり、
- かかとが綺麗に収まっているか
- 土踏まずに過度に当たっていないか
- 足の曲がる場所(MTP関節)にプレートが重なっていないか
- インソールから過度に足がはみ出さないか
といった項目も大切になります。
実際に使ってみた感想
筆者も実際に FUSION-FLEXI+S を使用してみました。
筆者自身がミッドアーチですが、アーチ部のサポートはや若いため違和感はありません。
外側エッジのサポートが特によく伝わる設計で、ねんざ方向への荷重はある程度制御できそうな印象は受けます。
基本的にはスポーツ向け、矯正するほどの力はやはりなく、運動時に使用するのが適しているインソールだと感じました。
まとめ
足をフレキシブルに、違和感なく支える FUSION-FLEXI+S についての解説は以上となります。
アーチ部へのサポート性と外側エッジが特徴であり、スポーツ時に使用するのが適している柔軟さが特徴の製品でした。
悩みを抜本的に改善するほどの力はありませんが、一方で間違って選んでもデメリットが少ない設計だと思いますので、スポーツ用のインソールとして検討してみてはいかがでしょうか。
※下記インソールの基礎編も良ければご確認ください
https://insole.xyz/insolebasic/foot-arch/
|
- PEDAG ビバサマー 解説
- BMZ コンプリートジエイタイ 解説
- Bauerfeind スポーツインソール RUN PERFORMANCE INSOLE 解説
- シダス クッション3D 解説
- スーパーフィート ブラック All-Purpose Support Low Arch 解説