フランス生まれのスポーツに適したインソールであるシダス。
今回はそのシダス製品の中でも普段履き、スニーカー、特にアウトドア、トレッキング系のシューズに適した、足触り滑らかなソフトなインソール、アウトドア3Dを解説していきます。
シダスのマックスプロテクトの上位品、そして定番の製品として長年愛されている3Dシリーズ、その中でも柔らかめの製品なので、どのように効くのか理論も併せて解説していきます。
標準的なアーチ設計
基本的にどなたでも使用できるタイプのインソールで、大きな疾患等のない全年齢の男女であれば問題なく使用できます。
サポートは主に標準的なアーチの方に対して、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ、加えて踵骨前と載距突起部を支持して作られているため、凹足には適合しません。
基本的にどの部位もそこまで支持が強くない為、極端な偏平足、凹足以外にはある程度対応できますが、それなりのサポート性に落ち着いています。
疲労軽減、衝撃吸収効果に期待
主に内側縦アーチ、横アーチ、外側縦アーチを多少支える設計で、僅かに載距突起部や踵骨前への支持がある製品です。
シダスの3Dシリーズ製品の中では支持が柔らかい部類であるため、高い効果は見込みにくいですが、違和感や不快感も少ない事の多いインソールです。
全体としてはある程度バランスよく支持されている製品であるため、極端な傾向の方でなければ疲労軽減や足の裏の痛み、疲れ、かかとへの衝撃を軽減出来る事が期待できる製品です。
以下、このインソールが緩和できる可能性が高い症例です。
- 足の裏、かかとが痛い足底腱膜炎
- 腰が痛む人、腰痛
- 足、腰が疲れやすい
- 足の内側が痛い、有痛性外脛骨やリスフラン関節炎
- 膝の外側が痛い、ランナー膝(腸脛靭帯炎)
- 山を登る、降りる際にシューズ内で足が滑ることがある方
普段履きやトレッキングシューズに適した設計
シダスの3Dシリーズの中では柔らかめで、足触りの良さと適度な滑りにくさを重視した設計であることから、主に普段履き、もしくはトレッキングシューズに適合する製品です。
一方で前側4mm、後側8mmと特にかかとにやや厚みがあるため、内容積の少ないシューズ、サッカーなどのスパイクシューズには適しません。
滑らかな足触りと適度な滑り止めが特徴のため、主にトレッキングシーン、一応普段履きにも対応するインソールとなっています。
毎回使うべきインソール
毎回使用する靴に入れることで、疲労軽減効果や、足の痛みの軽減が期待できるインソールです。
いつも使う登山靴、トレッキングシューズ、もしくは普段履きに入れることで効果を発揮しやすい製品です。
また、比較的高機能を謳われているインソール製品の中では履き心地がやや柔らかく、不快感が出にくいインソールともいえます。
耐久性、効果はそれなり
サポート部分が硬質な樹脂製ではなくEVAによるものなので、硬質な樹脂を用いた製品よりは早くサポートが劣化していきます。
使用上の問題はありませんが、適切な支持、サポートが出来なくなることが同価格帯製品の中では比較的早期に起こり得るインソールです。
ただし、このEVA素材を用いたことで、不快なサポートが感じにくくなっているため、この早期劣化は足馴染みと捉える事も可能であり、一長一短と言えます。
また、全体的に支持は強くはない為、不快なサポートにはあまり感じられないという点は利点と言えます。
アウトドア3Dの理論
シダスの既製品全般に言えることですが、主に土踏まず、アーチ部の動きを阻害しない程度に支えるのが製品の特長となっています。
足の裏のアーチは主に3つあり、内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチの三か所のうち、このアウトドア3Dでは内側縦アーチ部を中心に、横アーチ、外アーチ部、踵骨前、載距突起に対して、柔らかめの素材で支持しているのが特徴です。
このアウトドア3Dは主に内側縦アーチ、横アーチ、そして踵骨近辺への支持を、やや柔らかめの黄緑色のEVAシェルによって構成。
似た製品のコンフォート3Dよりは柔らかく、クッション3Dよりは硬く仕上がっており、足への不快感、合わない際の痛みが少ないよう設計されているのが特徴と言えます。
このEVAシェルはかかと、アーチ部を支持する機構を持ち合わせ、インソール下に空間を設ける設計を採用。
この隆起、スペースが足の自然なたわみを活かしつつ支持し、かつ踵骨前、載距突起を少し支持する事で外側縦アーチ部、内側縦アーチ部へも違和感ない程度のサポートが効く設計に仕上がっています。
加えてこのアウトドア3Dでは、横アーチへの支持も柔らかく行っている製品となっています。
MTP関節部にかからない程度、中足骨部に隆起を設けることで横アーチを支持する機構が比較的強めにとられており、横アーチの低下によって発生しやすいモートン病、開帳足といった問題を多少緩和しやすいように設計されています。
更に、かかとの左右へのぐらつきを抑えるヒールの深さも設けており、左右へのかかとのぐらつきを多少軽減することでアーチ部への過度な負担も軽減する仕様設計。
やや軟質な樹脂であるため、あくまでぐらつきを多少軽減する程度の強度ですが、フィットすればアーチ部への負担軽減が期待できそうな形状となっています。
このアーチ部への強すぎない直接的な支持、そして踵骨を中心とした骨格への支持によって、疲労軽減効果や痛みの緩和といった効果が期待できる製品となっているアウトドア3D。
EVAシェルは発泡性の樹脂、柔らかめのスポンジ材であるため長期の使用では劣化スピードが早い事が懸念されますが、初めて高機能インソールを試すという方には非常に適した製品ともいえるでしょう。
また、このアウトドア3Dではヒール、かかと直下にソフトEVAパッドを用いることで、かかとへの衝撃緩衝性を高めている製品となっています。
このように全体的に支持、サポートが強いというよりかは、サポートはほどほどに衝撃緩衝性を高め、不快感を取り払う機能が多い設計なのがアウトドア3Dの特徴です。
表面材についてですが、アウトドア3Dでは起毛させたマイクロファイバー、ゴートバックPU素材を用いています。
通気口を多く空けつつ、足触りが滑らかで多少滑りにくい素材となっているため、長時間の使用でも心地よく、上り下りの際のシューズ内部のずれを軽減するように設計されています。
このような機能性から、基本的にトレッキングシューズや、毎日使う普段靴にも適したインソールと言えます。
主にトレッキング、登山靴に使用しつつ、感触が良ければ普段靴にも使われることを薦めます。
アウトドア3Dの選び方
基本的には靴、シューズのサイズと同じサイズを購入し、つま先に余分があればハサミ等でカットして頂ければ問題ないかと思います。
加えて、下記項目も重要であり、
- かかとが綺麗に収まっているか
- 土踏まずに過度に当たっていないか
- 足の曲がる場所(MTP関節)にプレートが重なっていないか
- インソールから過度に足がはみ出さないか
といった項目も大切になります。
シダスの3Dシリーズは30日間快適保障がついているため、気軽に利用して頂ければと思います。
実際に使ってみた
筆者も実際にアウトドア3Dを使用してみました。
筆者自身がミッドアーチなのですが、アーチ部の支持は内側縦アーチ部、外側縦アーチ部、横アーチ部共に弱めの仕上がりですが、感じられます。
基本的には入門用に近い支持の強さで、サポートに関しては底まで強くない印象を受ける強度に仕上がっていました。
履き心地についてはかかとのソフトEVAパッドによる衝撃吸収と、表面の滑らかな足触りが特徴で、他アーチサポート部も違和感なくフィットする感覚を受けます。
強い効果を感じやすい製品ではないですが、違和感なく合いやすく、登山靴、登山に対して適した滑らかさ、滑り止め、通気口と考えられている製品。
登山用のインソールの入門用としては良いかと思います。
まとめ
シダスのトレッキング、普段履きに適したアウトドア3Dについての解説は以上となります。
比較的合いやすく設計された柔らかめのサポートが特徴の製品で、足の疲労軽減、衝撃緩和、痛みの軽減に役立つインソールになっていました。
価格は中価格帯にはなりますが、トレッキングシューズに、足にかかる衝撃を和らげたい、痛みを少なくしたい方は一度試してみてはいかがでしょうか。
※下記インソールの基礎編も良ければご確認ください
https://insole.xyz/insolebasic/foot-arch/
|
- BMZ コンプリートジエイタイ 解説
- Bauerfeind スポーツインソール RUN PERFORMANCE INSOLE 解説
- シダス クッション3D 解説
- スーパーフィート ブラック All-Purpose Support Low Arch 解説
- スーパーフィート オレンジ All-Purpose High Impact Support 解説