広島県の会社で、理学療法士が中心となって製造されているリアラインシリーズのインソールを今回は解説。
関節に対して作用し、問題解決を図るリアラインシリーズのインソールは、特にねんざを防ぐことに強い効果を発揮するインソール。
今回はそのインソールの中でも、普段履きとして使用する事が可能なライトタイプを紹介。
ねんざ癖のある方や、足が疲れやすい方、こけやすい方には価値のあるインソールなので、どのように効くかも理論と合わせてご紹介していきます。
適する方…外側に荷重がかかりやすい方
基本的に大きな疾患の無い男女であれば、概ね問題なく使用できるインソール。
効果が出やすいのは、靴の外側が極端にすり減る方、ねんざしやすい方、O脚の方です。
適する悩み…ねんざ、O脚
よくある内反捻挫(足を内側にひねる、一般的なねんざ)を防ぎやすい設計なのがリアラインインソールの特徴。
外側の骨である立方骨と、横アーチを形成する中足骨をサポートするパッドが入っているので、外側に足が傾く事が少なくなっています。
以下、このインソールが解決できる可能性が高い症例です。
- 内反捻挫
- モートン病
- 外反母趾
- 内反小趾
- 開帳足
- O脚
- 足底腱膜炎
- 足の疲れ
- 外側への過度な荷重
対応する靴…ゆったりとした普段靴、ランニングシューズが適切
中足部~前足部幅が広い為、ゆったりとした普段靴やランニングシューズに入れると、ぴったりフィットするインソールとなっています。
一方で、内容積の少ないシューズ、スパイクシューズ等には不向きであることが想定されます。
スポーツシューズに用いるのであれば、上位互換のリアラインインソール・スポーツを推奨します。
合わないケース…扁平足傾向の方
外側縦アーチ、横アーチを主に支持する構造から、内側縦アーチに過剰な問題がある方には適さない場合もあります。
以下のような方は合わない場合もあることを念頭に置きましょう。
- 扁平足
- 有痛性外脛骨
- リスフラン関節炎
- X脚
- 靴の内側ばかりすり減る方
リアライン・インソールの理論
リアラインインソールの理論は足の裏にある3つのアーチと、立方骨挙上を用いたもの。
こちらの記事にあるように、内側、外側、横の3つのアーチを支えつつ、足の外側にある立方骨を引き上げることで足のバランスを整えるインソールとなっています。
また、素材としてはやや硬めのフォーム材(EVA)で構成されていることから、サポート性は適度の範疇と言えるかと思います。
特徴となっている立方骨挙上は、昔テレビ等で流されていた青竹踏みに近いようなもの。
かかとの前にある外側の骨を、隆起したフォーム材(EVA)で押し上げることで、足の裏の特に外アーチ部を引き上げつつ、若干内アーチ、横アーチも形成されるという仕様。
外側縦アーチが回復することで外側の足指が使いやすくなり、踏ん張りやすくなることで転倒防止やねんざ防止の効果が期待できるインソールとなっています。
また、立方骨挙上を支えるフォーム材は前側、中足骨パッド(メタタルザルパッド)としても機能するものとなっています。
このパッドは横アーチを支持するものであり、この横アーチが無いと体重が前にかかりやすく、足本来のクッションやバランスを失いがちで、外反母趾や内反小趾、モートン病を併発しやすいものです。
このリアラインインソール・ライトでは立方骨挙上に加えて中足骨パッドによる横アーチ部支持をすることで、外反母趾や内反小趾、モートン病といった症状の緩和に役立つ可能性が期待できます。
そしてこのインソールは内側縦アーチへも作用し、内側への足の倒れこみを防ぐような設計となっています。
但し、基本的に立方骨挙上や横アーチ部への支持が強く出ている設計のため、扁平足を補正するような力はあまり持ち合わせてはいません。
あくまで自然な、弱めのサポートを内側には施してある為、かかとが大きく内側に倒れたり、前に倒れたり、足全体が内側に入り込むような扁平足の場合はスーパーフィートシリーズの方が適する可能性が高いと言えます。
更にインソール底部に隙間はなく、平たいインナーボードのシューズにぴたりとはまるような設計になっています。
隙間があることで足本来の動きを再現するものもありますが、このインソールは代わりにフォーム材自体が多少沈みこむことで、足本来の動きを妨げない仕様となっています。
デティールの部分では、表面はかなり滑り止めの強い格子状の凹凸と起毛素材のトップシートを使用。
靴内部で足が動く方にとっては嬉しいずれにくい仕様で、通気口もあるため汗の逃げ道も作られています。
また、かかとは左右から抑えるような構造で、過度な左右へのぐらつきを多少抑えるような意匠に仕上がっています。
このように主に3つのアーチの外、横を支持することでねんざや転倒の予防、外反母趾や内反小趾、モートン病、O脚の症状緩和が期待できるインソールが、このリアラインインソール・ライトとなります。
実際に使用してみた感想
筆者も実際にリアラインインソール・ライトを使用してみました。
まずシューズに実際に入れようとすると、かなり幅のある設計であることがわかります。
そのため、あまりに細い、薄いシューズには少し相性が悪いかもしれません。
そして履き心地として特徴的なのは、やはり立方骨と中足骨を支えるパッド。
元々入っている平たいインソールに比べるとかなりサポートされている感覚を受けます。
パッド自体はEVAと呼ばれるフォーム材であるため多少は沈み込んでくれますが、それでも凸突起となった立方骨~中足骨部のサポートは初めてだと慣れない感触。
歩いてみたり、走ってみたりする分には痛みもなく、違和感も知らないうちに無くなっていたので、そこまで気にしなくても良さそうだと思います。
また、特徴的だったのは表面の滑り止めで、かなり滑り止めは効いています。
シューズの中で足が動いてしまうような方にとっては、滑り止めが効いているので嬉しいかもしれません。
まとめ
ねんざや転倒防止、外反母趾や内反小趾、モートン病、O脚といった症状に対して効果的に成り得るリアラインインソール・ライトの解説は以上となります。
税込み2000円で、22cmから29cmまで1cm刻みであるので、手ごろな値段でシューズサイズで選びやすくなっている所が素晴らしいインソール。
機能的には初めてインソールを試すという方にも比較的おすすめなので、一度試してみてはいかがでしょうか。